こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
長期金利の上昇を受けて先日までの急騰が嘘の様に株価が急落しています。このまま、金利上昇が続けばリスク資産である株式は売られる傾向が続くと考えられます。
今回は、そんな相場環境を受けて暴落サインの一つであるスキュー指数について記事をまとめていきます。
スキュー指数(ブラックスワン指数)とは?
スキュー指数から読み取れるのはテールリスク
スキュー指数は、起こる確率は限りなく低いが一度起きてしまうと想定外の損失を引き起こすテールリスク(ブラック・スワンイベント)を確認する指標として用いられます。
なぜブラック・スワンが用いられるのか
ブラック・スワンがスキュー指数やテールリスクに用いられるのはナシーム・ニコラス・タレブ氏が、2006年に刊行した「ブラック・スワン」という著書がその由来となっています。
ブラック・スワン理論
ブラック・スワン理論は、それまで白鳥はその名の通り全て白いとされていたが、オーストラリアで黒い白鳥が発見された事で鳥類の研究家の常識が大きく覆えされた出来事が言葉の由来となっています。
転じてそれまでの知識や常識では予測できない事象が起こり、その事象で人々に多大な影響を及ぼすことをブラック・スワンと比喩する様になりました
ナシーム・ニコラス・タレブ氏の「ブラック・スワン」は日本語訳もされています。
スキュー指数について
スキュー指数(SKEW index)は、市場に参加している投資家たちが株価が大幅に下落すると予想する確率を指数化したものです。
指数の算出には、VIX指数と同じくCBOEのオプション取引所のOTM(=アウト・オブ・マネー)のコールオプションとプットオプションが用いられます。
スキュー指数は平穏時には、数値が100前後とされており、投資家達が暴落を予測すると数値が100を超える指数です。
2018年は、常時120以上の数値を記録しており現状の株価に対して相場参加者の多くが暴落を警戒している局面であると分析する事が出来ます。
オプション取引では、対象の資産がいつどれくらいの価格になるのかを予想し取引されます。その中でプットオプションは値下がりや暴落した時に儲かる金融商品です。(空売りする権利を買うイメージ)画像引用:サクソバンク証券
この金融商品の性質から暴落の際のヘッジとしてプットオプションを買い保険とする訳です。
スキュー指数の計算方法
スキュー指数は、前述の通りCBOEのオプション取引のコールオプションとプットオプションを用いて算出されます。
平常時では、コールオープション≒プットオプションの数になるはずですが、投資家心理が暴落警戒局面に移るとプットオプション>コールオプションになり数値が100を超える様になります。
オプションの価値
オプションの価値というのは、時間的価値と本質的価値から成り立っています。
まず時間的価値というのは、オプションは、先物取引と同じく決済期限(SQ)までの期間の長さを表しています。明日までに1,000円動く可能性と半年後に1,000円動く可能性は当然半年後の方が高いです。
よって、決済期限の長いオプションの方が価値が高いということになります。
次に本質的価値です。本質的価値というのは、現在の価格とオプションの権利行使価格との価格差を表すものとなります。
株価が24,000円でオプションの権利行使価格が23,000円であればその価値は株価に連動します。(=イン・ザ・マネー)
無駄な説明が多くなりましたが、スキュー指数で用いられるのは、本質的価値がなく時間的価値が大半を占めるオプションとなります。(=アウト・オブ・マネー)
このオプションは、到達する確率は低いけど到達した場合には買った額の数倍から数百倍の価値を持つ事になります。通常の相場環境であれば、この様な時間的価値しかないオプションは売買されることが少ないです。
市場の予想が下落に傾くとプットオプションの建玉が増える
しかし、暴落を考える投資家が増えてくると時間的な価値しかないプットオプション(空売りをする権利=株価が下がると儲かる金融商品)を保険として買う投資家達が増えてきます。
そうなるとこれまで殆ど流動性が無かったはずのアウト・オブ・マネーのオプションに対してプットオプションばかりポジションが積み重なって行きます。
VIX指数とスキュー指数の最も大きな違い
暴落に関する別の指数として、VIX指数があります。
VIX指数は、スキュー指数と違って相場の方向性は示す事はできず、数値が小さくなるほど株価が大幅に下落もしくは上昇する兆候を読み取れる指標です。
一方でスキュー指数は、記事の冒頭で述べた通り、起こる確率は低いが実際に実現した時には甚大な下落を示すという特徴があります。
近年は、VIX指数とスキュー指数の乖離が目立つ様になり先の読めない相場環境が続いています。VIX指数投資では、急落時にボラティリティが急騰します。特にVIXショートを考えるなら相場の暴落サインは決して見逃してはいけないと考えられます。
暴落暴騰相場の2018年のスキュー指数とVIX指数を統計的な観点から分析しました。
是非読んでみて下さい!
さいごに
既にリーマンショックから10年が経過し強気相場はいつ終わってもおかしくない局面に入ってきています。
スキュー指数は、投資家が相場に暴落を懸念していると数値が上昇する指標です。長期金利の上昇が企業の資金調達や住宅金利市場にも大きな影響を与えます。
この指標を上手く読み解いて投資に取り組みたいですね。
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