こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
投資をする方なら一度は、聞いたことはあるけど詳しくは分からない用語の一つである「VIX指数」について調べてみました。
VIX指数とは何か?
VIX指数とは、Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略称です。
また、別名として「恐怖指数」とも呼ばれています。なぜ、恐怖指数と呼ばれるのかについては後ほど説明いたします。
VIX指数はどの様にして算出されるのか?
VIX指数は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、アメリカのS&P500を対象とするオプショントレードのIV(インプライド・ボラティリティー)の値動きを元に算出し、公表しています。
アメリカの投資情報会社であるスタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)が証券取引所に上場されている4,000社の銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出しているアメリカの代表的な株値指数です。
S&P500は、米国株式の時価総額の80%を超える株価指数であり、米国株式市場の実態を如実に表す市場です。
日本で言えば、「日経平均株価」が同様の指数として該当します。
インプライド・ボラティリティー(IV)とは?
ポラリティ(Volatility)とは、英語で「移り気、落着きがない」という意味です。
つまり、インプライド・ボラリティティとは今日を含んだ明日以降の相場の変化率を今日の時点で投資家がどの様に予想しているのかを表す指標(=予想変動率と呼ばれることもある)という事になります。
インプラント・ボラリティティ(IV)は、市場が不安定であったり・混乱している・経済が不安定な時(暴落局面)に上昇する性質があります。
VIX指数はコンベクシティが働く
予想変動率だけをピックアップして考えれば、上昇時もIVが上がりそうですが中々そうはなりません。
それは、上昇は下落と違いジワジワと価格が上がる為投資家もこのまま心地良いトレンドが続くと考える為です。
この様に大きな上昇よりも大きな下落に大きな反応を示す事を「コンベクシティ」と呼びます。
VIX指数の算出方法
・満期日までの日数が23日以上で37日未満のオプションを用いる ・毎週ひとつ期先のオプションへロールする ・SPXの水準より100以上高いか低い権利行使価格で気配値がゼロではない事 ・SPXの配当金や金利は除外する様に金融工学で算式が組み上げられている
VIX指数は、以上の様なルールに基づいて計算されています。
投資をしていても見慣れない言葉が多く並んでいます。
色々なサイトを見て調べたところ、投資家が1ヶ月後の市場のボラティリティ(S&P500市場の価格の想定レンジ)をどの様に予想しているのかをオプション価格を用いて計算している指数という事が分かりました。
つまり、VIX指数が低くなるほど上下どちらかに大きく触れるエネルギーを溜め込んでいると読み換える事が出来ます。
VIX指数のは不正操作疑惑がある
VIX指数の算出には、SPXのATM~OTMのオプションが用いられています。
よって、大量の資金がある投資集団がSPXのオプションを売買する事でVIX指数を操作できるのでは無いかという根強い疑惑があります。
この疑惑については、VIX指数を算出・公表しているCBOEは否定しています。
2019年7月21日追記 VIX指数の不正操作疑惑について海外文献を調べて見ました。
VIX指数と恐怖指数
VIX指数は時として恐怖指数と呼ばれる事もあります。次の項目では、VIX指数が恐怖指数と呼ばれる由縁について触れていこうと思います。
恐怖指数と呼ばれる理由は?
まずは、以下のチャートを見て下さい。
時折指数が急激に上昇している様子が見てとれます。この指数が急上昇する局面は、株価が暴落しているときです。
ここ20年でVIX指数が、急上昇しているのは、
2008年のリーマンショック
2015年のチャイナショック
2018年のVIXショック
などか挙げられます。
では、どういった場面でボラが大きくなると考えられるのでしょうか?
それは、株価が暴落する場面です。
株価は、大きく下がり始めると損失に恐怖を抱く投資家が増え始め損失を確定する為に株式を売りに出します。
すると、更に株値は値を下げます。その様子を見て更に投資家が恐怖を抱き売りに出すといった行動を取りどんどん株価を下げるメカニズムとなります。
さらに最近は、狼狽する個人投資家に加えてアルゴリズム取引を超高速で行える様になり空売りを仕掛けて利益を取るといった相場が目立つ様になってきました。
そして、株価が下がり過ぎたと判断する投資家が増えてくると今度は、買いを入れる投資家と前もって空売りをしていた投資家や暴落に便乗して空売り仕掛けた機関投資家やヘッジファンドなどが空売りの利益確定の注文を出して株価を一定の値幅分戻すという状況が生まれます。
チャートからVIX指数と株式市場の逆相関関係を分析する
株式とVIX指数が逆相関しているという事は、株式を沢山買っている人は、VIX指数をロングする事で暴落した際に一定の利益を上げる事ができるというヘッジが効きます。
以前は、株式と金は逆相関すると言われていましたが近年は中央銀行の金融政策の複雑化も含め相関関係は少なくって来た印象があります。
VIX指数を投資に活かそう
VIX指数は、株式投資をする上で様々なシグナルを私たち投資家に与えてくれています。
ここからはVIX指数を実際に投資にどう活かすかについて触れていきます。
VIX指数は株式相場の先行指標ではない
VIX指数は、先程も確認した様に本日以降の株式相場への投資家心理をSPXのオプションから算出した指標となります。
よって、VIX指数が上昇する場面では既に株式相場が先行して暴落している事が多いです。
VIX指数に関連した金融派生商品
VIX指数は、裏付けとなる資産がある訳では無いので資産そのものに投資することは出来ません。
よって、指数に連動する金融派生商品を通じてVIX指数に投資する事が出来ます。
ETF(上場投資信託)・ETN(上場投資証券)
VIX指数に関連する投資商品として最もポピュラーな金融商品は、ETFとETNです。
VIX指数短期先物や中期先物に連動する、指数と逆に動くというインバース型・指数との連動が日次リターン設定で2〜3倍に設計されたレバレッジド型など様々な製品設計がされた金融商品が生み出されています。
GMOクリック証券ではVIX指数連動のETNをCFD市場で取引できる
GMOクリック証券では、米国の証券取引所に上場されるVIX指数関連のETNへCFD市場を通じて投資が可能となります。詳しい説明は、以下の記事で解説しています。
CBOE指数(短期)先物
日経平均株価や金・小麦などと同じ様に取引出来る限月が定められた先物取引です。
VIX指数に関連する金融商品の中でもレバレッジの高さは群を抜いており資金管理と相場観という2つの能力が備わっていなければ中々上手く取引できないと考えられます。
CBOEオプション
日本では、日経225オプションに代表されるデリバティブ取引の1種です。
オプションの買い手は損失限定・利益無限大の取引が可能です。
先ほども確認した様に、VIX指数とS&P500指数との逆相関関係にあります。
つまり、S&P指数が横ばいや下落に転じればVIX指数のオプションの価値は上昇する事になります。
つまり、株式市場の下落のヘッジとしてVIX指数のコールオプションを買い持ちすれば損失の補填が出来るという事になります。
また、株式相場が大混乱状態にある時はVIX指数オプションの価値は急騰します。
市場のボラティリティリスクを引き受けるプットオプションの売り手に混乱期を乗り切れば利益になるといった戦略が可能です。
VIX指数関連の金融派生商品が連動するのはVIX短期先物指数・中期先物指数
先程確認したVIX指数に連動する金融派生商品はVIX指数そのものではなくCBOEに上場されるVIX指数の短期先物指数に連動する金融商品となります。
VIX指数とVIX短期先物指数は当然概ね価格は連動するのですが細かい値動きは違いがある事を知っておく必要があります。
ちなみに、VIX指数に派生するETFやETNは、毎日期近と期先のVIX指数の短期先物をロールオーバーしてVIX指数との日次リターンの連動を果たしています。
通常は、期先の先物より期近の先物の方が安い為日々コストの払いが発生する為VIX指数に派生している金融商品は減価していく傾向があります。(チャートで表すと右肩上がり)
VIX短期先物指数と中期先物指数の違いについては以下の記事で詳しく説明しています。
VIX指数を投資に活かす方法
VIX指数を利用した売買
VIX指数は暴落時に急上昇し、その後緩やかに収まっていくという特性があります。
それは、恐怖で混乱した投資家達が序所に冷静さを取り戻し売買注文が平穏化(ボラが小さくなる)する為です。
この特性を生かす事で暴落を利益機会に変える可能性が出てきます。
また、逆に平穏相場が続きそろそろ暴落局面が来ると予想すれば、保有株のヘッジをする為の保険として、VIX指数の金融派生商品を買うことで暴落時の損失を一部補填することができます。
VIXとSKEWの関係
株式相場の暴落リスクを確認する指標としては、VIX指数とSKEW指数が有名です。
次の項目では、VIX指数とスキュー指数のそれぞれが持つ特徴について確認していきます。
VIX指数とSKWE・スキュー(ブラックスワン)指数の関係
VIX指数(別名:恐怖指数)に似た指標としてスキュー指数(別名:ブラックスワン指数)というものがあります。
VIX指数が投資家の近い将来の予想変動率を表すのに対して、スキュー指数はテールリスクを測るのに有効であると言われています。
テールリスクというのは、滅多に発生しないけど一度発生してしまうと甚大な被害を及ぼすリスクという意味です。
より詳しい内容については以下の記事にまとめていますので是非読んでみて下さい。
VIX指数とスキュー指数に相関はない
VIX指数とスキュー指数は、共に相場つまり投資家達が暴落や下落に対してどの様な考え方を持っているのかを確認する上でとても役に立つ指標です。
そこで、この2つの指数に相関があるのか気になったので調べてみました。
結果が上の図となっています。
縦軸がスキュー指数で横軸がVIX指数の値となります。この分散図を見る限りは特に相関は見られませんでした。
まとめ
日米ともに2017年は、右肩上がりの相場が続いていました。そして、今年の2月VIXショックが起こりアメリカの株価指数であるNYダウが過去最大の下げ幅を記録更新した事は記憶に新しいです。
VIXショックは、金利の上昇とVIX指数に基づく金融派生商品のショートをすれば儲かると考える投資家が多かった為狙われたという話があります。
VIX指数は、株価下落の先行指標ではないですが、投資家の不安が高まるにつれて上昇します。
投資をされる方は、世の中の投資家が現在の相場に対してどういう印象をもっているか確認するひとつとして「VIX指数」を活用してみてはいかがでしょうか?
本日もありがとうございました。
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