こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
今回は、投資をする上で私たちの生活に身近で親しみを持ちやすい業種の一つである外食産業について財政面(ファンダメンタル)で気をつけるべきだと思う点について項目を上げて検証してみました。
外食産業の危険な兆候
外食産業の上場企業は、大きく出店舗数を伸ばす事が出来れば大きく利益を伸ばす事が出来るのが特徴だと考える事が可能です。
しかし、一方で無限に店舗を増やし続ける事は財政的にも市場規模的にも不可能であるというのが現実です。
そこで、上場企業では、投資家が正しい投資判断を行う為に財政状況や出店している店舗・これから展開予定の店舗などについて適宜情報開示することが義務付けられている訳です。
今回は、外食産業を展開する上場企業に投資する際に気を付けたいことについて特徴をまとめて見ました。
既存店売上で実情を把握する
冒頭でも触れましたが、外食産業で業績を伸ばしていく為には、展開している店舗数が増える・顧客単価(お客さんが1回の食事で使うお金)を伸ばす=売上増というサイクルを回していく必要があります。
店舗増で売上マイナスはかなり厳しい
売上が伸びていれば、業績が上げる様に思うかもしれません。
しかし、売上は店舗数を増やせばある一定のレベルまでは右肩上がりの成長曲線を描くことが出来ます。
拡大路線で最もマズイと思われる展開は、店舗増で売上減という状況であると考えられます。
なぜ、店舗増で売上減がマズイかというと店舗を出店すれ為にはテナントを借りる賃料や店舗で働いてもらう従業員(人件費)が必ず掛かります。
このお金を工面するために、私達を含めた投資家に株を買ってもらって資金調達をする、銀行から融資(お金を借りる)を受けるなどの方法があります。
既存店売上の進捗を確認するのはNIPPONの数字がオススメ
外食産業における既存店売上は、通常月次単位(一月に一回)単位で公表されます。
情報開示の手段としては、IR(適時開示)という形で公表されるのが一般的な方法であるところですが、沢山の企業の情報を確認しようとすると手間も時間もかかってしまいます。
時短したい・同業他社との比較をしたいという方にオススメなのが、NIPPONの数字というサイトの情報です。
このサイトでは、当期の月次進捗度の他に過去の月次既存店売上がグラフ化・好調な企業の一覧などが分かりやすくまとまっていてとても便利です。
自己資本比率からキャッシュフローを考える
外食産業は、実店舗を展開する・新商品を開発するなどその他の業種以上に常に新しい動きを求められる業種であると考えられます。
財務諸表から企業の経営状況を確認したいのであれば短期のキャッシュフローを確認できる流動資産と流動負債の状況をチェックするのが有効であると考えられます。
流動資産で現金が減って、流動負債で短期借入金や買掛金が増えてしまっていれば営業キャッシュフローがマイナスである確率は高くなります。
営業キャッシュフローがマイナスになると自己資本比率もマイナスに傾く可能性が高くなります。過剰に思い入れを持たず中立の目を持つ事が重要だと感じます。
営業キャッシュフローについては、投資するときはキャッシュフローがマイナスな会社は注意の記事で詳しく解説しています。
拡大路線の限界=サービス品質維持の難しさ
拡大路線が限界を迎える原因の一つとしてサービスや従業員の提供するサービスの品質を維持する事の難しさがあります。
外食産業は、提供する飲食サービスの質によってでしか差別化を図ることはできません。
代表的なものを挙げるとすれば
・価格
・一人でも多人数でも楽しめる空間
・清潔感がある
・品質と価格のバランスが良い
・従来の店舗形態には無い画期的な店舗デザイン
などが該当します。
いきなりステーキは拡大路線の限界・同業他社の出現で後退
2017年に10倍銘柄を達成したペッパーフーズが提供していた、ステーキチェーン店のいきなりステーキですが、2019年に入って厳しい月次決算が続出する事態となっています。
売上増にも関わらず、営業利益減になった“いきなりステーキ”
— 奥村美里|Misato Okumura (@OkumuraMisato) November 22, 2019
敗因は『自社競合』でした。
(※鳥貴族も同様)
出店計画見積もりが甘い
→自社の店舗同士で客の奪い合いが起きる
→既存店の売上が下がる
→固定費はかかるので営業利益に影響 pic.twitter.com/95tsoThOcH
いきなりステーキが苦境に陥ってしまった理由としては、過剰な出店攻勢による店舗感の顧客の取り合い・そして同様のサービスを提供する企業が出現した事が原因であると考えられます。
前年比でも月次売上でも厳しい状況が続く中で売上の伸びない店舗の閉鎖・新規店舗出店の中止など赤字が続く原因の止血となる動きにやっと取り組み始めた印象です。
今後の動きについても注視していきたいと思います。
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