こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
スマホゲームを作っているオルトプラスがMSワラント発行による増資を発表しストップ安まで株式が売り込まれる事態となりました。
2018年9月25日にアンジェスもMSワラント発行を決定しています。
MSワラントは、ゲームセクターやバイオ事業に属する企業が資金調達の際によく利用する方法です。
今回は、MSワラントの仕組みとなぜ株価が下がり投資家に嫌気されるのか調べて見ました。
MSワラントについて
MSワラント(Moving-Strike-Warrant)
MSワラントは、ムービング・ストライク・ワラントの略称の事で、日本語に置き換えると「行使価格修正条項付新株予約権」と呼ばれます。
つまり、出資企業が儲かる価格での株式発行を保証する代わりに資金を出資してもらうという事です。
MSワラントは、MSSOと略される事もあります。
MSワラント発行による株価への影響
MSワラントは、権利が執行されると株式市場に供給される株数が増えるため既存株主にとっては悪材料となり株価下落に繋がります。
それぞれの立場から見たMSワラント
発行会社
新株予約権発行の引き換えに増資(資金調達)が可能となりメリットがある。
引受先
行使価格条項がある為自分達が確実に儲かる価格で権利行使を行う事ができる。
1番メリットを享受できる立場です。
既存株主
メリットは何もありません。
上記した様に市場に供給される株数が増え1株当たりの価値が希薄化する為株価が下落する。また、引受会社が行うカラ売りによって株価が下落する。
MSワラントは引受先が一番儲かる
MSワラントは、引受先が一番メリットのある取引です。
引受先となるのは、大手証券会社や一般の企業などです。
必ず儲かるのは行使価格修正条項あるから
MSワラントの一番のポイントは
つまり、例え当初双方で合意していた想定の株価を下回ったとしても引受先はMSワラントの権利を行使すれば、前日の終値から数%ディスカウントされた価格で株式を取得出来る=必ず儲かるという事になります。
しかし、逆に言うと発行会社は出資を受けるかわりに必ず不利な条件を飲む必要があると言う事です。
引受会社はMSワラントのヘッジとして空売りを仕掛ける
MSワラントは、引受会社が必ず儲かる仕組みだと言う説明をして来ました。
しかし、株価を終値の5%ディスカウントで取得できるとしても株数が多くなると自分達の売り注文で買値が押し下げられ実際には5%の利益を得る事が出来なくなります。
この様な損失を防ぐ為に、引受会社はMSワラントを受けとった時点で空売りを仕掛けます。空売りをすればその時点で5%の利益が確保されます。
あとは、最低権利行使価格にかかる前の売り圧力が弱まり買い圧力が再び増してくる場面で権利行使をして株式を取得し、その株を前述の空売りしている株式の返済に割り当てればOKということになります。
最近実施されたMSワラント
2018年9月25日 アンジェス
MSワラント発行を開示(アンジェス適時開示より引用)
2018年11月15 日本管理センター
MSワラントで集めた資金は
- システムの再構築に10億円
- 事業の拡大に55億円
に利用されると発表がありました。
TATERUやスルガ銀行の不正融資問題など日本管理センターが手がける不動産市場(サブリース事業)には厳しい相場環境です。
さいごに
今回は、企業の資金調達手段の一つであるMSワラントについて見て来ました。
投資先が、MSワラントを計画しているか知る方法はありません。しかし、決算書を注意深く見ていれば企業の資金繰りを分析することはできます。
新興企業は、短期で株価が急騰する反面安定したキャッシュフローを確保するのが難しい一面もあります。
投資をされる方は、リスクを分析した上で投資する様にして行きましょう。
コメント