こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
先日、KDDIによるカブドットコム証券へのTOBの実施が発表されました。
そこで、この記事ではTOB(株式公開買付)とはどんな事なのか?保有している株がTOBになった時どんな対応をすれば良いのか調べてみました。
TOB=株式公開買い付け
TOBは条件を提示して株式を買い集める行為
TOBとは「Take Over Buy」の頭文字3つをとった言葉で日本語に訳すと株式公開買付と表現されます。
上場企業の株式を買い集めたい時に投資家に買い取り条件を公表することで既にその株式を保有している投資家から株式を買い取る事をいう上場企業を買収したい母体が議決権を手に入れる為に行われます。
- 期間
- 株数
- 価格
以上の3つが投資家に提示され市場外で一括買い付けされます。
TOBには、友好的TOBと敵対的OBの2種類がある
TOBには友好的TOBと敵対的TOBの2種類があります。
- 友好的TOB・・・TOBを実施される企業と実施する側の企業が合意の上で合併もしくは経営権の移譲を目的として株式を取得します
- 敵対的TOB・・・経営権や取締役員の選任権の取得などを買収という強行的な手段を持って手に入れる為に株式の取得を目指す事
TOBというと敵対的企業買収が印象的ですが、実際の所でいうと日本の市場では友好的TOBが多く敵対的TOBの数はそれほど多くはありません。
敵対的企業買収には防御策が講じられる
敵対的TOBの防御手段としては、友好的な第三者に自社の株式を大量に保有してもらうホワイトナイトと新たに株式を大量に発行して発行済み株式の保有率を引き下げさせるポイズンピルという防衛手段があります。
ポイズンピルは、株式の希薄化を招く為既存株主にとっては、一株当たりの価値が下がる為損害を被ります。
ホリエモンがかつてフジテレビに対して敵対的TOBを仕掛けた際にはSBIホールディングスの北尾氏がホワイトナイトに名乗りを上げて結果的にはTOBに失敗しました。
また、2018年に放送された綾野剛主演のハゲダカでもTOBによる攻防が描かれていました。ドラマなので多少の脚色はあるかもしれませんがTOBを巡り各々の立場や思惑がどの様なものなのかイメージ出来ると思います。
伊藤忠商事がデサントに敵対的TOBを仕掛ける
伊藤忠「デサント株を公開買い付けへ」
伊藤忠
デサントにTOB 1株2800円デサント
経営陣による自社買収(MBO)で対抗も1/31 ゆうサテ pic.twitter.com/QjGGt0ntB8
— にこそく(市況民) (@nicosokufx) January 31, 2019
伊藤忠商事は、筆頭株主として株式総数の3割を保有するデサントに、TOB(株式公開買付)を実施する事を発表しました。デサント側は、寝耳に水だという反応を示しており敵対的TOBに発展しそうです。
TOBを仕掛ける目的は事業の経営権を握るため
TOBを上場企業自身が発表するのではなく別の企業帯が仕掛けてくる場合にはTOB先の企業の経営権の掌握もしくは合併を目論んで仕掛ける事が多いとされています。
- 発行済み株式の33%を取得すれば、重大な決定事項に対する拒否権を発動出来る
- 発行済み株式の50%超を取得すれば、代表取締役社長を始めとする取締役員の選任権を持てる
- 発行済み株式の66%超を取得すれば、会社を合併もしくは解散する決定権を持てる
以上の様に買い集めた株数に応じてTOB先の経営の重要な決定について介入する事が出来る様になります。
TOBは計画的に買収する為の施作になっている
外部の企業がTOBを用いて買収や合併をする場合「自分達が決めた期間・価格・数量」で株式を買い集める事が出来る=経営権を収める為に必要な予算の目処を立てやすいことにあります。
一般的な投資家と同じ様に証券取引所の売買によって株式を集めようとすると必要な株数を集めるのに時間がかかったり売買による価格変動によって想定外に資金が必要だったりします。
特に、浮動株数がそもそも少ない銘柄や流動性に乏しい銘柄の場合には資金の額が読めない事が多い為TOBを用いることが多いとされています。
また、別のメリットとしてTOBは公表した条件の株数まで応募数が達しない場合はキャンセルが出来る為中途半端な株数を保有するというデメリットを追う必要がありません。
投資家から見たTOB
TOBは既存株主にとっては基本的には嬉しいニュース
TOBは一般的に取引所で取引されている価格にプレミアム(利益)を上乗せした価格で株式の買取を募集する事が知られています。
それは、多くの投資家はキャピタルゲインを得るべくして株式を保有しているため市場価格と同じ額では売るメリットがない為株式を手放す投資家が限られているためです。
敵対的TOBの場合はマイナスの面が強くなる
先程も書きましたが、敵対的TOBが保有株に仕掛けられた場合には、既存株主は損失を被る可能性が高くなります。
それは、株式を新しく発行して希薄化し大量の株式保有を難しくするポイズンピルや仮に買収された場合は株式の非公開化などにより株式の売買が出来なくなるなどのデメリットが存在する為です。
TOBには全部買付けと一部買付けの2種類が存在する
TOBには、全部買付けと一部買付けの2つが存在します。
全部買付けは、株式の移管を申し出れば全て買い取って貰える為、TOBの価格付近で売却する事でプレミアム分の値上がり益を手にする事が可能です。
一部買付けは、全ての株式が買い取られる訳ではないので、全部買付と比較して値上がりは少なくなります。
また、全部買付とは違い例え証券会社に移管を申請しても全てが買付される訳ではないので個人的には利益の出ている内に売却した方が良いのではないかと思います。
TOBが発表された時の市場の反応
2019年1月23日には、KDDIによるカブドットコム証券のTOBが発表され株価がストップ高になりました。
まとめ
TOBは、狙って手にすることは難しいですが保有株にチャンスが巡ってきた時には慌てずに友好的か敵対的なのか、全部買付なのか一部買付なのかといったポイントを注視してチャンスを手にして貰えればと思います。
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