ソフトバンクの有利子負債15兆円は倒産リスクになり得るか会計的に検証【ビジョンファンド 】

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株式投資
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今や日本にとどまらず世界にビジネスを伸ばしているソフトバンクですが、かねてより有利子負債の額が膨大な額に膨らんでいる事が懸念材料として指摘される事が多いです。

この記事では、投資歴2年の私が自分なりにソフトバンクが抱えている有利子負債が問題なのか検証しソフトバンクが目指している事業について読み解いていきたいと思います。

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ソフトバンクの有利子負債

ソフトバンクの有利子負債は、日本市場で投資している人の中では知らない人がいないのでは無いかと思える程年々その残債が増え続けています。

ソフトバンクグループの有利子負債は15兆円

現在のソフトバンクグループは、10兆円を超える有利子負債を抱えています。

有利子負債は悪いイメージで捉えられる事が多いですが、本当の意味で理解している投資家は少ないのではないかと感じています。

ソフトバンクは実質的な有利子負債は4兆円と主張

ソフトバンクの直近の決算発表によると現在の有利子負債の総額は15兆円あると言われています。

しかし、すべてがソフトバンク本体が抱える有利子負債では無いようです。

昨年末(2018年12月)に大型IPOとして話題になったソフトバンクですが、これはソフトバンクグループにおける通信事業部門を独立させ連結決算の対象から外す会計処理をしています。

独立採算から外れるということは、連帯保証義務が無い(債務保証をしない)という事です。

15兆円 ー 9兆円(通信会社ソフトバンク・SPRINT等子会社の有利子負債)= 6兆円

通信会社のソフトバンク及び買収した米国の通信会社であるSPRINTなどの子会社関連の有利子負債9兆円を超えており、この債務の返済義務はソフトバンク本体ではなく、事業会社であるソフトバンクや子会社自身が返済する義務を負っている借金という位置付けがなされています。

また、現預金は2兆円分保持しているとされ、実質的な有利子負債は投資家が考えるほど高くないという解釈をしています。中々の暴論とも言えますね・・

6兆円 ー 2兆円(現預金) = 4兆円

有利子負債は元金に加えて利子の支払いが必要な融資

ソフトバンクの有利子負債の内訳を詳しく見る前に有利子負債の定義について確認していきたいと思います。

そもそも有利子負債とはその言葉から分かる様に利子の返却を求められる負債(借入金)のことを表します。

有利子負債の内訳
  • 短期借入金
  • 長期借入金
  • 社債
  • 転換社債(CP)

借入金は、銀行などの金融機関から融資・社債はあらかじめ利回りと償還される期限の決まっている金融商品であり、ヘッジファンドや機関投資家・そして私たち個人投資家も含めた投資家が購入することで発行した会社の資金になります。

>>社債と債券の違いの解説の記事を読む

個人投資家には、ソフトバンクの発行する社債は「ソフトバンク債」の名で知られています。

詳しい内容については以下の記事で詳しく解説しています。

長期借入金と短期借入金の違いは?

長期借入金と短期借入金の違いはお金を借り入れた時から返済までの期間によって区別されます。

1年以内に返済期限を迎える借入金を短期借入金・返済期限が1年以上の借入金のことを長期借入金と呼びます。

有利子負債は総額も借入れている利率も重要

有利子負債は、多いよりかは少ない方が当然良いですが、有利子負債が多い=会社の経営状況が悪いという事にはなりません。

有利子負債が多いほど返すべき利息も多くなると見る事も出来ます。

しかし、それ以上に重要なのは借りたお金を返す際の利率です。利率が高ければ高いほど会社としては負担が大きくなります。

 利率高利率低
貸し手沢山の貸したいあまり貸したくない
借り手あまり借りたくない沢山借りたい
貸し倒れリスク高い低い

上のグラフを見れば分かりますが、借り手と貸し手の利益はトレードオフの関係にあります。

お金が欲しいばかりに高利でお金を借り過ぎるとデフォルトリスクが高まりますし、低利ではお金を貸す側のメリットは少ない為多額の資金を集める事は難しくなります。

ここまでの話を総括して、極端な話をすれば借入れた利率よりも高いリターンを得る事が出来ているのであれば、それは自分たちの会社の資本に他人の資本を組み入れてレバレッジを効かせて成長の速度を早めていると見る事も出来ます。

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ソフトバンクの倒産リスク

有利子負債が積み上がり続ける事は、企業にとっては会計的には債務不履行になる可能性が年々高くなっていくことを意味します。

次の項目ではソフトバンクのキャッシュフローについて検証して行きます。

キャッシュフローは営業CFを投資CFが上回る

ソフトバンクのキャッシュフローは、投資キャッシュフローが営業キャッシュフローを上回っています。

投資CFが営業CFを上回る意味は?

投資CFが営業CFを上回っているという事は、事業を通じて得た利益を投資資金が上回っているという事です。

先行投資という形で一次的に営業CFを投資CFが超えているというのは健全ですが、慢性的に投資CFが営業CFを超え続けるというのは一般的な企業の場合あまり望ましい傾向とは言えません。

ソフトバンクは債務不履行に陥るのか?

稼ぎ出した利益以上に投資を続けているという事は、先程も確認した様に銀行や機関投資家・投資ファンド・個人投資家などに利息の支払いを担保にしてお金を借り続けている事になります。

この循環が止まらない限りは有利子負債は増え続けますが、それが必ず債務不履行に繋がるとは言えません。

現在のソフトバンクは、毎年1兆円近くの営業利益を生み出しています。一方で有利子負債に対する利息の支払いは約6,500億円です。

営業利益で利息の支払いが出来ない自体にならない限りは債務不履行・倒産の心配は不要というのが会計上の解釈になります。

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現在のソフトバンク

ソフトバンクは、事業のコアであった通信事業を完全分社化して投資ファンドにより注力していくことが予想されています。

ソフトバンクは投資ファンド事業(ビジョンファンド )に力を入れている

ソフトバンクは、創業から現在まで銀行や投資家などからの融資を受け、その資金を元手に企業を上手く買収したり、新しい事業に投資して超過リターンを得る事によって成長を続けてきました。

これは、孫社長の先見性や決断力の為せる技であるのではないかと多くの投資家が考えています。

そんな孫社長が現在最も注力している事業というのは、ソフトバンクビジョンファンド事業です。

ソフトバンクビジョンファンドは、AIやハイテクセクターなどこれからの私達の生活を変えるかもしれない企業への投資ファンドです。

簡単に言えば、投資した企業が成長し株価が上がる事でソフトバンクに利益が還元されるという仕組みになっています。

ソフトバンクビジョンファンドの仕組みは以下の記事で詳しく解説しています。

投資ファンド事業は既に事業の柱に

ソフトバンクの稼ぎ出す収益の内、ビジョンファンドの占める割合は年々大きくなっており遂に2018年度には営業利益の半分を稼ぎ出す事業に成長しています。

今後、新たなビジョンファンドを立ち上げるという報道も出ておりその動向が多くの投資家に注目されています。

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これからも一人の投資家としてソフトバンクの経営と投資ファンドからは目が離せないですし、日本の経済を牽引して欲しいと思います。

これからも一人の投資家としてソフトバンクの経営と投資ファンドからは目が離せないですし、日本の経済を牽引して欲しいと思います。

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