ハイイールド債について
ハイイールド債といきなり言われてもどんな指標なのか分からないという方もいると思います。
今回の記事では、イールド債の意味と指標を見る事で何が分かるのかを記事にまとめてみました。
ハイイールド債は高利回りな社債
ハイイールド債(別名:ジャンク債)とは、デフォルトリスクが高い代わりに利回りが良いという性質を持つ金融商品です。
発行から償還までの期間は、10年以下のもので4-5年で満期を迎えるものが多いと言われています。
ハイイールド債市場は景気後退の先行指標の1つと言われている
ハイイールド債と投資適格債
投資適格債健全性が高く、債務の履行(債券の償還等)に対して問題がないと判断される格付。なお、AAA(Aaa)が最も高く、下になるほどややその確実性(健全性)が低くなる。 | ||
S&P | ムーディーズ | 格付の評価 |
AAA | Aaa | 最上位の格付け。債務履行の確実性が最も高い。 |
AA | AA | 債務履行の確実性は極めて高い。 |
A | A | 債務履行の確実性は高い。 |
BBB | Baa | 債務履行の確実性は高いが、将来確実とはいえない。 |
投資不適格健全性にやや問題があると判断される。今後の債務の履行について問題がある。以下の格付企業が発行する債券を、ハイイールドボンド・ジャンクボンドと呼ぶ。 | ||
S&P | ムーディーズ | 格付の評価 |
BB | Ba | 債務履行に当面問題はないが、将来確実とはいえない。 |
B | B | 債務履行の確実性に問題があり、将来債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。 |
CCC | Caa | 現時点で不安定な要素があり、将来的に債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。 |
CC | Ca | 債務不履行(デフォルト)となる可能性が高い。 |
C | C | 債務不履行(デフォルト)となる可能性が極めて高い |
D | D | 現時点で債務不履行(デフォルト)をおこしている。 |
投資適格債とジャンク債の大きな違いは、投資適格債はあくまで満期保有をする事でリターンを得ることがメインなのに対してジャンク債は買値より高く売る事で利益を出すという投機的な性格を持った金融商品だという点にあります。
よって、その値動きが株式と近いものになります。
投資適格の最低ランクのBBの社債は一度景気後退局面になればジャンク債となり大量のジャンク債が増えて債券価格が下落する傾向にあります。
ハイイールド債はどんな企業が発行しているのか?
一般的にハイイールド債に分類される企業というのはお金を貸しても返って来ない可能性が高い企業群であるといえます。
- 新興、スタートアップ企業
- レッドオーシャンな市場に属する企業
- ファンダメンタルに問題を抱える企業
国債価格と利回り・ハイイールド債
次の項目では国債価格と利回り、そしてハイイールド債の関係性について見ていきたいと思います。
社債(ハイイールド債)の価格は10年国債の利回りと連動する
ハイイールド債の価値は、長期国債(主に10年国債)の利回りに大きく影響される傾向があります。
それは、社債というのは発行した時点で満期までの利回りが決まっている為、市中の金利が上がればその金利水準に基づいた新しい社債が登場するからです。
景気循環とハイイールド債のリターン
ジャンク債に投資するのであれば、不景気から景気が回復する局面にあって、中央銀行の金融引き締めにより政策金利が引き上げられるまでの場面が一番望ましいと言えます。
逆に、好景気から景気後退局面では、利上げも打ちとめとなり債券の価値も下落していく為デフォルトするリスクが高まりますので注意が必要です。
ハイイールド債に投資するならHYG
ハイイールド債は、デフォルトリスクが高い代わりにリターンが良い債券です。
その為、個別の社債ではなくハイイールド債の集合体であるETFでの投資をする方がリスクを少なく出来ます。
ただし、債券といっても限りなく株式に近い金融商品である事は忘れずにいて頂ければと思います。
株式相場下落局面ではスプレッドが拡大しジャンク債の価値も下がる
上記のチャートを見ても株式相場に先行する形でジャンク債ETFの下落が始まっていて上昇する際にも株式相場に先行して上昇が始まっている事が分かります。
必ずそうなる訳ではありませんが一つの目安として確認してみる事も大切です。
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