こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
原油の価格は投資対象としている方の利益機会になるだけではなく、ガソリンや灯油の価格と直結しており、回り回って私たち庶民の懐事情にも影響を与えます。
原油は、化石燃料という限りある資源であることから将来的には枯渇してしまうのではないか?と懸念されている時代がありました。
ただ、最近は採掘技術の進歩などにより掘削しようと思えばまだまだ掘削出来るという事情も出て来ています。
つまり、最近の動向で言えば原油の価格は産油国がどれくらい生産するのか?市場に原油を供給するのか?がポイントとなりつつあります。
今回は、原油市場の世界的な動向を示す「EIA原油在庫」という経済指標と在庫状況がFXや株式・先物市場にどの様な影響を与えるのか?という点について見ていこうと思います。
EIA原油在庫とは?
原油の経済指標として最も有名なのは、EIA週間石油在庫と呼ばれる経済指標となります。
EIA原油在庫は、アメリカのエネルギー省エネルギー事務局が毎週水曜日に算出している経済指標です。
統計に用いられる指標は、アメリカ内の企業における商業用原油の在庫量(バレル数)です。
在庫量は、原油やガソリン・留出油、そして全米全体と東海岸・中西部地区などが区別され報告されます。
以前は、EIA原油在庫自体が大きな相場の材料となっていましたが、現在は民間の調査会社がEIAの在庫発表よりも前に調査結果を発表される様になっています。
結果として予想値の段階で一度価格に盛り込まれて実際の数値が予想値と乖離が生まれると大きな価格変動を起こす様になってきています。
原油在庫はWTI原油が注目を集める
ただ、実際に投資家の注目を集めるのは、NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)に上場されるWTI原油の現物取引の拠点であるオクラホマ州のクッシング地区の原油在庫です。
産油地 | ← クッシング(中継地)→ | 消費地 |
クッシング地区は、産油地から送られて来る原油のパイプラインと原油を精製する施設や一大消費地であるシカゴなどの大都市などにパイプラインが伸びていく中継地にある訳です。
原油の先物市場では、原油の生産者・原油の実需者(原油製品を利用して事業を行う団体)・価格変動を利益に変えようとする投資団体(ファンドや機関投資家など)が各々の思惑に基づいてポジションの保有または決済を行なっています。
原油生産者は、価格変動リスクを抑えるために先物市場を利用します。
原油価格は、戦争リスクや生産地が自然災害等によって生産量が落ちれば値上がり、逆に金融危機や景気後退による経済の停滞が明確になれば値下がりする傾向にあります。
原油価格の値下がりを予想するのであれば、高値の内に先物を売っていれば実際に原油価格が下がったときに利益がが出ます。
この様な値下がりや値上がりに対するリスクを取り除く様な取引のことをヘッジ取引と読んだりします。
次は、原油を使った実需者がどの様に先物を利用しているのかについて見ていきましょう。
原油の実需者というのは、原油の仲卸業者や燃料として原油を精製して作られるケロシンを動力源とする航空事業などがあります。
原油を事業として取り扱う業者にとって原油価格の値上がりは、コストの上昇を招き=利益の減少を意味します。
なので、価格変動リスクを抑えるために原油価格が低い内に先物契約で仕入れの価格をヘッジすることがあります。
ただ、事業業者が直接先物市場に注文を出して契約するというよりかは、事業者と先物市場の間に投資銀行等の金融業者が入ることが多いのが実態である様です。
現JALになる前の旧日本航空は、価格変動のリスクとは別に原油先物に手を出して数千億円単位の損失を出した事があります。原油安が航空事業に必ずしも追い風になる訳ではないのかも?
最後は、機関投資家や投資ファンドなどによる先物取引です。
投資ファンドには、何も株式投資を専門とした組織ばかりではありません。
原油を始めとするコモディティ市場への先物取引とオプションを組み合わせた取引などで投機を行い利益を上げようとする組織など多様な投資母体が存在します。
また、ETFやETN・ETCなどを組成して商品を投資家に売って信託報酬などで稼ぐというファンドも存在します。
関連記事>>ETP(上場投資商品)とETF・ETNの違い・ベア型とブル型のメリットとデメリットを解説【投資信託・投資証券】
ETFやETCは、先物価格に連動する・先物価格の日次リターンに2倍の値動きをするというレバレッジ型ETFも存在します。先物価格に連動するという事は毎日期近の先物を売って期先を買うという購買行動が存在しています。
投機家は、一般的にはマイナスイメージを持っている人が多いですが、彼らが存在してくれているおかげで市場の流動性が確保されて、極端なスプレッドがなく私たちの様の個人投資家がトレード出来ているという側面もあります。
原油在庫は相場を動かす引き金になり得る
基本的には、原油の在庫の増加は需要の減少か生産量の増加を意味して原油価格にとってプラスとは言えません。
結論としては原油在庫自体が価格に直結するというよりは、世界全体の景気や原油生産量が増やせないという何らかの事情があると、多くの投資家が判断した方向に在庫量がトリガー(引き金)となって動いていくというが現実的な見方であると私は考えます。
私は、いち個人投資家としてCFD市場で原油トレードを実施しています。原油は、FXや株式と比べて一度出たトレンドは継続しやすいという特性があり、扱いやすい投資商品であると思います。
原油トレードについては、私が利用しているGMOクリック証券のCFDのトレード方法を詳しくまとめている記事がありますのでそちらの記事をお読み頂けると嬉しいです。
関連記事>>原油市場の特徴とGMOクリック証券CFDで投資するメリットをまとめてみた
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