【ソフトバンク債】ソフトバンクグループ株式会社第53回無担保社債に投資すべきか?

債券

今回は、皆様もよくご存知だと思われるソフトバンクグループが発行している個人向け社債のソフトバンク債に興味を持ったので調べてみました。

  1. この記事の要点
  2. ソフトバンク社債の現状
  3. 格付け会社の評価に基づくリスク判断

債券投資は、インカム収益しかない事が特徴です。

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ソフトバンク社債はどんな商品なのか?

ソフトバンク社債は、特に個人投資家に人気がある様です。何が個人投資家達をひきつけるのでしょうか。調べてみると以下の事が分かりました。

出典:SBI証券

利回り(1年)  発行総額  償還期間  購入対象
第53回 1.570%  4,100億円 6年 個人投資家
第52回 2.030% 500億円 7年 機関投資家
第51回 2.030%  4,000億円 7年 個人投資家
第50回 2.48%  300億円 10年 機関投資家
第49回 1.94%  200億円 7年 機関投資家
弟48回 2.13%  3,700億円 7年 個人投資家
前回の利回り2.03%と比較すると明らかに利回りは悪化しています。

・1年に2回の利払い

100万円単位でしか買付できない

・社債である為ソフトバンクが破たんすると紙屑になる

・債券投資という性質上満期まで持ち続けるのがセオリー

ソフトバンクの資金調達・利用

ソフトバンクが行う資金調達及び利用先の事業は以下の通りです。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタファンドによる投資の取得スプリントおよびアーム買収資金のリファイナンスを主目的とした借入などの結果、長期借入による収入と、返済による支出

ソフトバンクグループ株式会社が、外貨建普通社債とハイブリッド社債を発行

決算短信より引用

この内容を分析すると通信事業ではなくM&Aや投資ファンドに多額の資金をつぎ込んでいる様子が見て取れます。

なぜソフトバンク社債は高利率なのか?

一言で言うと新たに投資に際して資金を必要だからと考えられます。

しかし現在ソフトバンクグループの負債額は、年々積み上がっており、直近の決算では、

・有利子負債は、13兆円にものぼります。(2018年6月現在)

有利子負債とは?
1.短期借入金
契約日から返済日まで1年以内の借入金。金融機関から借り入れるお金。短期プライムレート分の金利+借入元本を返済

2.長期借入金
契約日から返済日まで1年以上の借入金。金融機関から借り入れるお金。長期プライムレート分の金利+借入元本を返済

3.社債
企業がマーケットから直接資金を調達する方法。償還期間や償還条件を決定の後出資を募る。今回のソフトバンク債(第53回無担保社債)は社債に分類される。

株式投資をしている方は、知っているかもしれませんが今のソフトバンクは通信事業よりも投資会社といった方が良いかもしれないほどに色々な会社を買収しています。

直近の大型買収とその後の動きをふりかえってみましょう。

・2013年にアメリカの携帯会社であるスプリント社を約18000億円で買収

・2016年に英半導体設計大手ARM社を3.3兆円で買収

・2017年にアメリカのフォートレス・インベストメント・グループを3,729億円買収

・2018年にアメリカの携帯会社であるスプリント社の親会社をはずれ持株子会社へ(※事実上の事業失敗)

格付会社の評価は?

債券投資において、債券の発行体が破綻して投資資金が償還されないことが一番のリスク要因です。

その破綻リスクを客観視する為に投資格付があります。投資格付けは、以下の様な階層分けをする事ができます。

投資適格債
健全性が高く、債務の履行(債券の償還等)に対して問題がないと判断される格付。なお、AAA(Aaa)が最も高く、下になるほどややその確実性(健全性)が低くなる。
S&P ムーディーズ 格付の評価
AAA Aaa 最上位の格付け。債務履行の確実性が最も高い。
AA AA 債務履行の確実性は極めて高い。
A A 債務履行の確実性は高い。
BBB Baa 債務履行の確実性は高いが、将来確実とはいえない。
投資不適格
健全性にやや問題があると判断される。今後の債務の履行について問題がある。以下の格付企業が発行する債券を、ハイイールドボンド・ジャンクボンドと呼ぶ。
S&P ムーディーズ 格付の評価
BB Ba 債務履行に当面問題はないが、将来確実とはいえない。
B B 債務履行の確実性に問題があり、将来債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。
CCC Caa 現時点で不安定な要素があり、将来的に債務不履行(デフォルト)となる可能性がある。
CC Ca 債務不履行(デフォルト)となる可能性が高い。
C C 債務不履行(デフォルト)となる可能性が極めて高い
D D 現時点で債務不履行(デフォルト)をおこしている。

ソフトバンクの社債の評価は、S&PBBムーディーズBaと評価しています。
日本格付研究所の評価は、A
評価内容は、債務履行に当面問題はないが、将来確実とはいえない。です。
つまり、日本国内でこそ債務不履行になる可能性が低いという評価でありますが、グローバル社会でのソフトバンク社債は、投資非適格債とみなされています。
しかし、格付会社とアメリカ金融業界の無節操さが招いたリーマンショックという金融危機があったことも忘れてはなりません。投資では、分からない事に手を出さない事が賢明な判断になる可能性が高いです。

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結論

ソフトバンクグループは、莫大な有利子負債を抱えつつそれ以上の利益を上げ成長してきました。

しかし、アメリカの携帯事業進出に失敗した事からも分かる様に孫会長の神通力にも限りが見え始めています。

また、利回りも2%を切り社債としても旨味が少ないと感じます。

債券投資家の多くは、国債での運用を考えた方が安全と見る動きが強いですね。

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