こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
本日は、読者様から質問が多い原油市場へのトレード戦略について私が考える投資手法について解説していきます。
内容としては、数分〜数時間でポジションを決済するデイトレードと数日〜数週間単位でポジションを完結させるスイングトレードのそれぞれの特徴と推奨する方法を紹介したいと思います。
原油価格はなぜ動く
原油への投資戦略を考える前に原油価格は、どの様な材料に基づいて動くのか確認してみましょう
原油は、産業用機器や輸送機器等の燃料、プラスチック製品の原材料など産業革命以降の私たちの暮らしとは切っても切り離せない資源です。
そんな原油資源はどの様な材料で動くのでしょうか?
代表的なものとしては、「地政学的リスク」「戦争リスク」「受給バランス」などが挙げられます。
地政学的リスク・戦争リスク=産油国での紛争
地政学的リスクというは、原油の主な生産国である中東諸国を中心とした紛争及び戦争により原油の生産が減少したり、戦争の勃発により原油価格が急騰することを主に表しています。
とても残念ですが原油はテロ組織の資金源?になっているという一面があります。
なので、中東諸国内でのいざこざやテロ組織と米国が対立すると油田の爆破や経済制裁などが発生すると原油価格は即座に反応を見せ、急騰する傾向にあります。
原油価格は需給バランスによって決定する
原油価格は、私たちの生活に必要な燃料や経済活動や先物取引などによる実需と機関投資家や投資ファンドと呼ばれる投資集団による投機によって価格変動が生じています。
産油国は、出来るだけ高く原油を売りたいので絶えず産油量をコントロールして需要が供給を上回る様に産油国で組織されたOPECの会合で調整をかけています。
ここまで、大まかですが原油価格が変動する理由について見てきました。
原油市場でのトレード戦略
続いて、原油をトレード対象とした場合に短期でトレードする場合、長期でトレードする場合のそれぞれでどの様なトレード戦略が有効であるのか考えてみましょう。
原油市場のボラティリティを活かすデイトレード
原油市場は、比較的ボラティリティーの大きな市場です。
ボラティリティーとは変動の幅のことだよ。
1日の間にレート(価格)変動が大きいのでトレードするチャンスが多くなるってことね。
特に大きな材料がなければ、ある程度の値幅でレンジを刻むことが多い事が特徴として挙げられます。
ということであれば、日中はチャート上の主要なレジスタンスやサポートラインを引いて反発しそうなレートに目処を着けやすいということになります。
その上で1日の値幅を図るATRアベレージトゥルーレンジなどで更にエントリーを精査するといった方法が有効です。
関連記事 1日の平均値幅が表示されるテクニカル指標 ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)について解説してみた
また、デイトレードは雇用統計や製造業指数、原油在庫などの経済指標の発表がある時はなるべくエントリーを控えるべきです。
それは、いくらテクニカルを分析しても実態経済の動向は読めません。
経済指標発表後はレートの変動が目まぐるしく変化する為、ポジションを持つ投機性が高まってしまいます。
無駄な損失を防ぐためにも自分がどんな取引を狙っているのか考えてからエントリーをするべきだと個人的には考えます。
高値圏のショートから価格調整額と売却益を目指すスイングトレード
原油に中期〜長期目線で取り組むのであれば原油が急騰したタイミングからの空売りが鉄板の取引戦略です。
なぜ原油を長期保有する場合は売り優勢なのか?
長期的なトレードにおいて、原油市場が売り(ショート優勢)な理由の一つとして、原油を含んだ先物市場では先物の限月を乗り換える際に発生するロールオーバーコストが関係しています。
日経平均株価の先物を取引した事がある方は知っているかもしれませんが、先物取引はお金を証拠金として証券会社に預け入れてレバレッジをかけて投資する方法です。
先物の銘柄は、1ヶ月に1回もしくは3ヶ月に1回取引限月を迎えるという特徴があります。
この期日を過ぎてしまうと従来の銘柄の取引は出来なくなります。なので、期限が到来するのがより未来にある銘柄に乗り換える必要(専門用語ではロールオーバーと呼ぶ)があります。
先物取引は過去の歴史を遡れば、原油などの資源を使って商売(事業)をしている方々が価格変動によるリスクをヘッジする為に生み出された取引です。
関連記事>> 先物市場の特徴は?過去の歴史について調べてみた
よって、未来に渡って価格変動リスクをヘッジできるという性質から基本的には取引期限が短い銘柄より高い銘柄の方が価格が高いという傾向にあります。
これは、戦争や紛争等のリスクがないのであれば、明日相場が荒れる確率より1月・1年先に相場が荒れる確率の方が高いからです。
逆に2020年1月に発生したアメリカとイランとの戦争入りが懸念される様な環境であれば、1ヶ月先よりも明日戦争が発生するリスクの方が高いので期限が短い銘柄の方が期限の短い銘柄よりも価格が高くなる傾向にあります。
取引期限期間が短い銘柄より期間が長い銘柄の方が価格が高い状況のことをコンタンゴ・期間が長い銘柄より短い銘柄の方が高い状況のことをバックワーデーション と呼びます。
関連記事>> 先物市場の特徴「コンタンゴとバックワーデーション について」
【先物市場の特徴】逆鞘・ バックワーデーションとは何か?原油市場や株式市場を例に解説する
ここまで書けばお気づきの方も多いと思いますが、基本的に原油の先物価格はコンタンゴで推移します。
コンタンゴのままショートポジションを保有していれば、原油CFD市場では価格調整額という名前の金利をもらえます。
価格調整額は、預入証拠金としてカウントされるので細かい値動きを無視して長期で保有し続ければ、少しずつ資金が増えると考えられます。
でも価格調整額欲しさに大量のポジションを保有するのは禁物!
バックワーデーションになるとショート(売り)ポジションを持っていると逆に金利調整額の支払いを求められるよ。
つまり、高値圏でショートポジションを構築して細かい値動きを無視すれば、高値で売って安値で買い戻す売却益とコンタンゴの発生による価格調整額で金利をゲットするという高い勝率でのトレードが可能となります。
基本的には、自分の資金量と相談しながら戦略的にポジションを考えてみよう
これで、原油市場のトレードにおける戦略の紹介は以上となります。
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