投資をする上でリスクとリターンの最適化を考える事はとても大切です。
しかし、私の様な弱小投資家にとって自己資本だけで運用しているとたとえ自分の考えた値動きが実際に当たっても思う様に資金を増やすことが出来ません。
小資本である投資家にはレバレッジをかけることは必要不可欠です。
そこで、今回はギャンブルや投資の世界で有名なケリー基準を用いて適切なレバレッジをかける方法について調べてみました。
ケリー基準(ケリーの公式)
ケリー基準は、これまで特に投資の分野とは違うギャンブルの世界でゆく知られている理論です。
ケリー基準では、複利収益率が最も高くなる最適なレバレッジが導出できるという公式です。
投資においてリターンを最大化させるためには数学的に分析をして期待値がプラスである投資対象に自分の許容できるリスクの最大限の資金を投じることです。
かつて、村上ファンドと呼ばれる投資ファンドを率いていた村上氏も以下の様に述べています。
ケリー基準とサイズの決定
ケリーの公式は複雑なものではなく以下の簡単な数式から算出する事が出来ます。
エッヂとは、そのトレードやギャンブルに資金を投じることで数学的に期待値がプラスになる投資であることです。
仮に株式の信用取引でレバレッジをかけるのであれば、信用金利等を考慮した上で本当に期待値がプラスであるのかを確認するべきです。
オッズは、トレードやギャンブルから得られる最大利益と解釈されることが多いです。
つまり、ケリー基準ではプラスの期待値を持つトレードやギャンブルにレバレッジをかけて利益を最大化するサイズを計算することが出来ます。
投資にケリー基準を用いるなら接点ポートフォリオにレバレッジをかけるのが最適
先ほどの項目では、ケリー基準で適切なレバレッジの算出が可能な事を確認してきました。
次に複数の資産を組み合わせてポートフォリオを作った場合に適切なレバレッジについて考えてみましょう。
投資の世界では複数の資産に分散して投資するのがリスクとリターンを考える上で大切だとされています。
現代ポートフォリオ理論では、効率的フロンティア曲線の最上部に位置する接点ポートフォリオがシャープレシオが最大化される資産配分であるとされています。
つまり、シャープレシオが高く・ボラティリティ(標準偏差)の小さなポートフォリオにレバレッジをかける事が最も高いリターンを上げることのできる組み合わせであるとわかります。
ケリー基準による最適レバレッジはシャープレシオと標準偏差で算出できる
ケリー基準で投資の最適なレバレッジを考えるのは実はとても簡単です。
シャープレシオは、効率係数とも呼ばれ取っているリスクに対してどれくらいリターンがあるのかを表す指標となります。
この数値が高いほど自分の取っているリスクに対して高いリターンを得る事が出来ているという事になります。
σ(標準偏差)とは、投資の世界ではリスクと呼ばれる指標となります。リスクが高い投資対象は値上がりの余地が大きい一方で値下がりの幅も同時に大きい投資対象であるということになります。
ケリー基準を使う際の注意点
ケリー基準は、定率でかける事を前提とした理論です。
つまり、複雑なポートフォリオを組んでいるとシャープレシオやリスクの算定が複雑化し、リバランスが難しくなり過度なリスクを取ってしまう可能性があります。
最適レバレッジは過度なリスクとなる?
最適レバレッジはシャープレシオが高いポートフォリオである程高い数値が出ることになります。
リスクとリターンがトレードオフである事を考えればリターンを求める余り過度なレバレッジをかけるとポートフォリオのリスクが高くなりすぎてそのボラティリティに耐えられない可能性が出てきます。
FXで考えれば分かりやすいですが、短期で資金を増やしたいが余りに証拠金にレバレッジをかけて巨大なポジションを作ってしまう事があります。
相場の方向性が合っていても短期的に調整局面は定期的に訪れます。
つまり、長い目で見れば期待値がプラスでエントリーする方向もあっていたとしてもレバレッジが掛かりすぎていると証拠金が維持しきれずにロスカットされたり、ポジションサイズを小さくせざるを得ない場面が増える=ポートフォリオの持つボラティリティに耐えられないと考えられます。
そもそもリスクとリターンは絶対的なものではない
ケリー基準を用いる際には、先ほど確認した様にリスクとリターンの数値を用います。
しかし、リスクやリターンは切り取る時間軸(1年・5年・10年等)によって変化しますし、その数値が将来のリターンやリスクを保証するものではないという事を認識する必要があります。
つまり、定期的に自分の資金がどの資産にどれくらい投じているのか確認しそのリスクやリターンを見直して資産のリバランスが必要である事も大切であると考えられます。
以下参考記事となります。
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