こんにちは、こんばんわ。うどんマン(@udonman1989)です。
今回は、オプション取引の戦略の一つである「レシオ・オプション・スプレッド」について触れていきます。
レシオ・オプション・スプレッドは、相場が多く動いた後に仕掛けると利益に繋がる可能性の高いオプション戦略です。
この記事では、レシオ・オプション・スプレッドの仕組みと利益になるメカニズムについて解説していきます。
レシオ・オプション・スプレッドとは?
レシオ・オプション・スプレッドの基本形は、オプションの一枚の買いに対して二枚のオプションを売る戦略となります。
オプションの売り枚数の方は多い為最大利益は限定された投資戦略となります。
オプション取引は、上下の方向性の予想が外れても、想定した価格レンジに治れば利益を残す事の出来る取引です。
レシオ・オプション・スプレッドを仕掛ける条件
ポジションの組み方: 強気(上昇)相場の時は、ATM付近のコールを買い、買ったコールより権利行使価格の離れたつまりOTMである複数のコールを売る。逆に弱気(下落)相場の時は、ATM付近のプットを買い、買ったプットより権利行使価格の離れたプットを複数売る。 ポジションを仕掛けるべきタイミング: 相場にトレンドがない(中立・レンジ)〜トレンドが形成される時 ボラティリティ(IV)が高く、市場が大きな変動をして継続的なトレンドを見せている時 最大利益について: レシオ・オプション・スプレッドの最大利益は、売った複数のOTMオプションの受け取りプレミアムと買ったATM付近の支払いプレミアムの差額 最大損失について: レシオ・オプション・スプレッドの最大損失は、理論上無限大となります。しかし、実際は本来の思惑から外れた時点で損切りを入れれば損失幅は限定可能。 銘柄選定の方法: 購入するオプションはATMから1日の呼値の制限値幅額分離れた権利行使価格のコールオプションもしくはプットオプション 売却するオプションは、購入したオプションからOTM側に権利行使価格が2つ離れたコールオプションもしくはプットオプション 残存期間は、三ヶ月以上あるオプションを用いて仕掛ける レシオ・オプション・スプレッドのグリークス: レシオスプレッドは、ガンマとベガを大幅にショートする戦術。よって、ブラックスワンイベントに直面すると一気に損失が膨らむポジションだと言えます。
オプションの1日の値幅制限は日本取引所グループ調べられる
レシオオプションスプレッドを組むためには、オプションの1日の値幅制限を知る必要があります。
1日の値幅制限は、日本取引所グループのホームページを見ることで確認できます。
レシオ・オプション・スプレッドのグリークス
デルタ:レシオ・コール・スプレッドならマイナス、レシオ・プット・スプレッドならプラスのデルタ値を取る ガンマ:オプションの売りが多いため、ガンマはショートとなる ベガ:ガンマと同様にオプションの売りである為、ベガはショートとなる セータ:セータはプラスとなり、時間的価値の減少は利益(タイムディケイが味方)
デルタは、ATM付近がちょうど0.5前後になるグリークスです。一方でOTMに行くほどデルタは小さくなります。つまり、ポジションを仕掛けた時点では、デルタロングのポジションです。
しかし、同時にガンマはショートしているポジションなので当初想定した方向に逆行すると次第に買いポジションのデルタを売っているポジションのデルタが上回って行くので損失が膨らんで行くことになります。
ベガは、ショートしているポジションなのでIVがポジションを組んでいる時点から更に上昇すると損失が膨らんで行く事になります。
ポジションを組んだ時点で証拠金を目一杯に使っていると少しの相場変動でポジション維持が困難になってしまいます。
これら全てのグリークスから考えると、証拠金維持率の管理(損切りポイントの設定)とポジションを仕掛けるタイミング、そして売っているオプションがITMにならないことがレシオ・オプション・スプレッドの成功のカギとなります。
オプション・シミュレーターで損益図を確認
上図は、SBI証券のオプション・シミュレーターを使って、レシオ・コール・スプレッドのポジションを想定した損益図となります。
この損益図から、日経平均が下落すれば勝ちで、満期までに23,550円に到達しなければ負ける事はないポジションになります。また、先ほどの項目で確認した様にデルタはマイナス値となり、原資産の上昇が大きくなるにつれてガンマの特性により急激に損失が膨らんでしまいます。
ポジションの決済タイミングを決めておく
レシオ・オプション・スプレッドはITMになるとポジションを閉じるか、複数枚売っているオプションの買い戻し、新たなオプションを買って別のオプション戦略に移行するなどのアクションを起こす必要があります。
よく分からないままポジションを構築してしまうと思わぬ損失を被る事がありますので良く調べて利益の出る仕組みや損失が出る原理などをしっかり理解してから実践に望んで頂ければと思います。
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