伝説の投資集団タートル流投資の魔術はトレーダーのバイブルになる1冊【感想・書評】

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書評
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今回は、投資を始めた当初買い漁った投資本の一つである伝説のトレーダー集団タートルを投資を始めて3年目のいま改めて読み直すと腑に落ちる内容がいくつもあったのでその内容についてレビューしたいと思います。

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タートル流投資の魔術

この書籍は、一流トレーダーであるリチャードデニスとウィリアム・エックハート氏が自分達の理論で一流トレーダーを育てあげるという賭けから始まったタートルという伝説の投資集団がどの様に組織され、トレードをして富を築き上げていったのかをストーリーにして紹介している書籍になっています。

勝てるトレーダーに必要な4ヶ条

  • エッジ(優位性)・・つまり正の期待値・長期的なプラスリターンを持つトレード戦略を身につける
  • リスク管理の徹底 ・・常に相場に留まる事の出来るトレード戦略を持つ事
  • 首尾一貫のトレード・・  投資は準備が大事
  • シンプルであれ・・年に数回は大きなトレンドが発生する。この流れを逃すな

相場は、予測できないものであり、トレンドは必ず発生するがそれがいつ始まるのかは誰にも分からないということを理解する事が説かれています。

管理人は上記のルールを、「収益がプラスになる手法を作って、手法が上手く機能する場面のみでエントリーをしよう。でも、必ず成功する訳ではないので必ず損切りは入れて次のチャンスに活かすのが大切」だと理解しました。

直近偏向を避ける能力がトレードを成功させる秘訣とも述べられています。

この考え方はギャンブルでもよく知られているよね。例えばカジノで黒ばかり続いて出ると次こそは赤がでるのではないかと考える。でも、常に赤か黒が出る確率は同じだというお話。

 

頭で分かっていても中々心の底で納得するのは難しいのが現実だけどね。

トレードにおける手法と損切りの考え方

トレードは、正の期待値を取引を長期的に続けるゲーム、損失はビジネス上の経費と同様という考え方が述べられています。

トレードを続ける以上損切りは基本的に避けることは出来ないよね。

個人的にはデモトレードで勝てない場合はリアルトレードでも勝てないので、まずはデモトレードできちんと利益の残る手法を見つけてからリアルトレードに臨むことが正しい手順ではないかと考えているよ。

投資家とトレーダーの違い

曖昧になりがちな「投資家とトレーダー」の定義の違いについても軽くではありますが、触れられていたよ。

投資家の定義=自分の投資が価値を生むという見込みのもと、”もの”を買って長期保有する事 →  株式投資は企業の経営陣や製品、市場シェアへ出資している。

トレーダーの定義=トレーダーは、”もの”の売買はしない。穀物や金などのコモディティなどに投資はせず先物やオプションなど市場価格の”リスク”の売買を行っている。

値動きをメインに追っているとトレーダーに分類されるみたいね

相場を動かしているのは様々な人間の思惑や欲望

相場がどの様に動いて、その値動きの裏にはどんな原因があるのかについて解説されていたよ。

投資と感情=人間の感情は、取引のチャンスが生まれる源であり、同時に人間の最大の敵である。感情を支配すれば成功する。感情を無視すれば危機に陥る。

手法や資金管理を続けると裁量トレードもシステムトレードに近づくって事なのかな?

取引のコツ=トレードをうまく運ぶコツは、人の心を読む事。市場は人で構成され、人は誰しも希望を、恐怖を弱みを抱えている。トレーダーは人の感情からチャンスが生まれるのを虎視眈々と待ち構えていなければならない。

価格変動=市場価格を変動させる一因として心理的要因がある。人は大きなストレスを受けるとリスク評価を誤り、リスクの発生率を読み間違える。行動ファイナンス論に寄れば、人は大きなストレスを受けると、滅多に完璧で合理的な判断を下せなくなるという。成功するトレーダーは人間の行為った傾向を踏まえ、そこから利益を得る。

普段起きないイベントが起きた時にこそ投資家としての真価が求められるってことね。

確かに普段目にしたことのない程の下落や損失額を目にするととんでもない恐怖に襲われて、論理的なトレードは難しくなるよね。勝てるトレーダーは未熟な投資家の心理を巧みに利用して儲けているんだね。

市場心理=大衆心理だとも考えられる。相場の世界では大衆側に回ったほうが負けになることが多い。

トレンドフォローは理にかなった投資方法であるが万能ではない

トレンド・フォローは、相場の流れに逆らわない理にかなったトレードであるとされています。

しかし、そんなトレンド・フォローのシステムであっても65〜70%は負けトレードになってしますことが証明されている。

理由としては、「大きなトレンドはめったに起こらない・トレンドが逆転(反転)した時に損失が出る・期待するリターンが30%なら30%のドローダウンも許容するリスク管理が必要・狙う値幅が大きいほどレバレッジに耐えうる資金量が必要」といった理由が考えられるね。

システムトレードについて

システムトレードのバックテストについて正しい理解があるかという問いかけです。

システムトレードや新たなテクニカル指標の歴史は新しい指標が現れては消えるという動作を繰り返しています。

特にシステムを売り出す際には、過去の一定期間の相場でこれだけのリターンを上げることが出来たというバックテストを売りにしていることが多いですよね。

しかし、これらの数値はバックテストを試みる期間や意図的に一番そのシステムが働く相場で行われていることが多いと注意喚起がなされています。

回りくどい言い方をしているけど、簡潔に言えば常に正常に働くシステム(投資の聖杯)は存在しないって事だね。

 

うん、そうだね。じゃんけんみたいに、それぞれの相場環境に応じた「グー・チョキ・パー」を身に付けて対応しようって事みたい。

堅固なシステムの作り方

堅固なシステムを作る方法は、多様な市場に分散する事だと書籍では述べられています。

多様な市場に参入するメリットは、自分の得意とする形のトレンドを作っている市況にである可能性が増す事だという事です。

この際には相関係数が低い市場を選択する事が大切だと述べています。

相関係数が高い商品というのは同じ様な値動きをするので分散している意味がなくなるという意味だと思うよ。

分散した資産やリスク(ボラティリティ)を十分に機能させるためには資金量が必要なのが現実で資金の少ない投資家には難しいのが現実ですね。

それぞれの市場が持つ特性

FXと株式市場の特徴について紹介されていたよ

通貨や金利などは、トレーディングより大きなマクロ的な視点で動く市場特性がある。よって、連邦準備理事会や中央銀行や国の政策が相場を大きく動かす材料となり得る特徴がある。

為替市場は、相場に途方も無い金額が供給されていて流動性が高いのが特徴であり、トレンドフォロー型のシステムと相性の良い市場であると言えます。

株式市場や金・銀・原油などのコモディティ市場は、実需より投機筋が価格への影響力を持つ市場であると言われています。

よって、特定の投資母体(ヘッジファンドや機関投資家)のポジションによって大きな値動きが発生しやすい市場であり、トレンドフォロー型のシステムは通貨市場よりは、働きにくい傾向があリります。

勝ち組タートルと負け組タートルを分けたこと

後に数億ドルを稼ぎ出す集団となったタートルにおいても勝ち組と負け組トレーダーに別れてしまった事実が書かれています。

そもそもタートルとして選ばれた時点で、普通の人が持たない一流トレーダーになれる資質を持つ彼らを分けたのはとても簡単な事実だったとされています。

その事実というには、「トレードにおいて絶対守るべきルールをいついかなる時も守れるか?」ということです。

トレードは、不確実であるがゆえに複雑なシステムや理論でないと勝てないと思い込んでいるトレーダーが多いです。

しかし、勝ち組トレーダーであっても使っている投資理論は同じであり長期的にプラスになるシステムを愚直に実行する事が大切だという事が述べられています。

凄く当たり前かも知れないけど100%勝てる方法も無いし楽に稼げるルールも存在しないって事だね。

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最も心に残った言葉

最後に私がこの本を読んで最も印象に残った一文について紹介したいと思います。

「自我に生きるの者は自我に死ぬ」

自分は、後に2倍になる銘柄をブレイクアウトの直前に1点買いして資金を倍にした。天井から底まで自分の裁量で取った。こういった自慢の言葉は他者に注目や尊敬の対象となる事があるよね。

しかし、倍になる銘柄を掴み続けるのは現実的に不可能だし、逆に半値以下になる銘柄をつかむ可能性だって同じくらい存在する。また、天井を売って損切りしないで大利を上げた経験で次も同じ場面で損切りをしないとどこまでも担ぎ上げられて破産したトレーダーは星の数ほどいる。

相場の世界では、絶対は無いし謙虚な気持ちを忘れれば遠く無い未来に退場する事になると改めて気付かせてもらえる本でした。

巻末にはタートル流トレードの紹介

この本の巻末部分には、タートル流トレードの方法が紹介されています。

簡潔にまとめるとすれば「ブレイクアウト戦略・ユニットサイズという資金管理の方法・エントリーにはATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)を使う」といった極めてオーソドックスな方法です。

関連記事 >> 「テクニカル指標のATRってなに?」

詳細が気になる方は是非ご自分で書籍を読んでその理論を確かめてみて下さいね!

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